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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
光森 裕樹
こわいのよ われに似る子が突然に空の奥処を指さすことも
僕たちは生きる、わらう、たべる、ねむる、へんにあかるい共同墓地で
わたあめ屋歩めばさらにわたあめ屋売る人の顔みな同じなる
吉野家の向かいの客が食べ終わりほぼ同じ客がその席に着く
急行を待つ行列のうしろでは「オランウータン食べられますか」
きっと血のように栞を垂らしてるあなたに貸したままのあの本
夏なのに咲かない向日葵 泣いていた記憶ばかりが鮮明、ずっと
太陽の沈まぬ国のひまはりは首落つるまで陽を追ふといふ
陽炎に裏表ある確信を持ちてしずかに板の間に伏す
炎昼の往還に人絶えぬればあらはるる平沼銃砲火薬店
幼年時代の記憶をたどれば野の果てで幾度も同じ葬列に会う
七月十七日かなかな鳴けり幾度か短く鳴けり夜のベランダに
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