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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
樹のなかに馬の時間があるような紅葉するとき嘶いななくような
その羽に天ひるがへし身に享くる時間せまくはなきかつばめよ
かつ凍りかつは砕くる山川の岩間にむせぶ暁の声
露や花花や露なる秋くれば野原に咲きて風に散るらむ
暮れて行く形見に残る月にさへあらぬ光をそふる秋かな
志賀の浦梢にかよふ松風は氷に残るさざなみの声
胸びれのはつか重たき秋の日や橋の上にて逢はな おとうと
天たかく馬がこえてはならぬ一線をこえわたしもつれてって
より似合う彼女にぬくいジャケットをゆずり晩夏の使命を果たす
鳰どりは水にもぐりてみづになり浮き出でてみづは鳰どりになる
コピ・ルアクしずかに啜る春の宵きみは時折山猫の伸び
花が咲いたようだと花をあげるからと花咲かせよと微笑むばかり
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