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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
さいかち 真
過ぎてゆく一日一日をまた秋の光となりて茶の花咲けり
白波のはたてかすめる志賀島再び人を恋いて来ぬれば
後の世を生くるあはれさ子供らの歓声秋の空に澄みたり
昂りを鎮めんとして噴き上ぐる思いのあれば生きているなり
吾が妻の笑まひは清し傍にみどり児はまだうぶ毛ぬれたり
ばあちゃん家いきたくならない? 冬に窓あけてソーセージゆでてたら
沖あひの浮きのごとくに見えかくれしてゐるこころといふけだものは
つくづくとゆめにしあへればふかどより少年魂のいたみふきあぐる
草の実も木の実も浄き糧ならず鳥よ瞋りて空に交差せよ
百日紅のひかりのはだら地にゆれて忘れてゐたる約束ひとつ
わが恋に汁椀ほどのみづあかりあれば朝夕机辺にひかる
声なきは静かな脅威蟻の群れにじつとりと昼を囲まれてゐる
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