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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
生沼 義朗
井野佐登/読みさしの歌集を置きて夜のほどろレセプト点検始めたりけり
佐伯裕子/夜ごとに遊園地にわく錆などの分けの分からぬ悲をやり過ごす
斉藤斎藤/夫と剣と玉とはんこがもうひとつぞろぞろとゆくうしろから妻
篠弘/モンブラン銀のシャープの黒ずみをひと夜すがらに磨き上げたる
中地俊夫/島田修三は島田修二に似る歌を作らざるゆゑ島田修三
古谷智子/夕映えのこゑはしづかに充ちあふれはるかな死者をまた呼びもどす
吉野昌夫/神宮競技場ここ聖域にして送らるる学徒幾万に雨ふり注ぐ
和嶋勝利/謝罪ならいらぬとなれば出る幕もなく出るとこに出ることとなる
細川謙三/敗戦の頃の日本を語るのみ老いし感傷を避け来て坐る
神山卓也/守るべきはヤマか雇用かと自問しつつ金貸して来し矛盾も終はる
中野菊夫/妻が植ゑし大切な葱をぬきてきぬこの幼子らかくて育ちゆけ
田中拓也/「さがなし」の意味を説きつつ思い出す者三人(みたり)あり心の中に
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