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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
ぼくの窓をかるくすりぬけ日本語のてざはりのない女の子たち
義母のよそうご飯かと思い振り向けば紫陽花白く低く咲きおり
がんばったところで誰も見ていない日本の北で窓開けている
チーズ濃く香る朝なり遠景に書物のごとき森ある九月
乳首透けたる服を纏へるをみならをよぎりて耳の無きゴッホまで
側溝を流れゆく水着脹(きぶく)れて家鴨(あひる)のような私を映す
月へするおびただしき數のアクセスとその切斷のお月見のよる
ドーナツに埋めようがない穴がありこんな時間に歯を磨いてる
泣き濡れているのはわたし高いビル全部沈めて立つのはわたし
木香薔薇の配線は入り組みながらすべての花を灯してゐたり
ひらくもののきれいなまひる 門、手紙、脚などへまた白い手が来る
見ゆるもの見ゆるまま描け目から手はぢれったく月のごとく遠かり
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