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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
水族館(アカリウム)にタカアシガニを見てゐしはいつか誰かの子を生む器(うつは)
いっこうにかまわない土地をとられてもその土地に虫がねむっていても
ふくふくと小さくなりゆくベビーバスわたしのことは忘れてもいい
もう少し前に進まうとりあへず西友に行き砥石を買つた
イエスは三十四にて果てにき乾葡萄噛みつつ苦くおもふその年齒(とし)
マルボロをふかせる君に肺といふ逆さの桜いま咲きほこる
またひとつピアスの穴をやがて聞くミック・ジャガーの訃報のために
ママのバラの服のうしろにへびがいた/最近ゆめみのわるいここは
雄叫びに似て冬の陽が落ちてゆくしばし炎の髪となる森
自販機を見つけるまでは話さない獣みたいな食事のあとで
草木は怒りもたねば怒りたる人は紅葉のなかに入りゆく
山に来てほのかにおもふたそがれの街(まち)にのこせしわが靴(くつ)の音(おと)
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