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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
一ノ関 忠人
群雀ねぐらあらそふ竹村のおくまであかく夕日さすなり
よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ
もの言へば 泣けくるものを。通夜ふけて、親しき友の また一人着く
いまははた 老いかゞまりて、誰よりもかれよりも 低き しはぶきをする
秋を待たで枯れゆく島の青草は、皇国の春によみがへらなむ
兵営に消燈喇叭の鳴るときし南十字はかたむきにけり
離りゐて 思ふはすべなし。常世子は 雛祭に 仕へつらむか
処女らに何護らすとわが教ふ手榴弾に火をつけ爆ぜしむる術
建つるなら不忠魂碑を百あまりくれなゐの朴ひらく峠に
燕飛ぶ空を仰ぎて立ち尽くすわれ兵たりき人を殺しき
天皇を泣きて走れる夜の道の草いきれこそ顕ちくるものを
明日という日もなき命いだきつつ文よむ心つくることなし
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