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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
飢ゑきれぬ腑のごときもの青竹の空洞といふさびしき宇宙
暖色のハブラシならび正直に損をしてきた父母を想いぬ
木でありし記憶の森の雨のなか持ち重りする紙ひと束は
新しく求めし傘がこの町に大きすぎたと思って歩く
雨に会うそのためだけに作られた傘を広げて君を待ってる
死ぬまでが暇だな 歌をうたひたい花の名前をもつと知りたい
いつせいに風上を向く傘の先雨が歌だと知つてゐるのだ
「ネット銀行レモン支店」にタッチする葉つぱのお金を送る心地に
花束をかかえた君は手を振れずさよならにただうなずいていた
雨のなか来し風が部屋をとほるときかずかぎりなき蝸牛のけはひ
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