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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
人が人を呼ぶ声高くさびしさの根源のように窓は開きぬ
白き紙いちまいの
上
へ
の花の種子げにひえびえと古代文字ならむ
菜の花の黄のかがやける丘にゐる老いらを訪ぬわれを待てれば
だんらんのはてに沈黙のあるごとく 夜を森閑と咲きつぐ櫻
菜の花の
黄
きい
溢れたりゆふぐれの素焼の壺に処女のからだに
雨期の地に呪詛の掌のごと揺れてゐる羊歯ありくらく永き平和よ
男をも灰の中より拾ひつる
釘
くぎ
のたぐひに思ひなすこと
ガザ地区と足立区響き似ていると
吾子
あこ
が言いけり空爆怖い
三月はぬたといふ
食
じき
春泥によごるるごとき葱が甘くて
あまたある神の御腕の一本に君がいて林檎を我が唇におく
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