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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす
四つ辻の夜の
灯
あかり
のさみしけれわれより引き出す影ふたつみつ
〈僕〉といひ〈俺〉ともいひて定まらぬわれを知りつくす晩春の河
その妻を遁れむとして投げしもの
若筍
わかたけ
食めばつくづくうまし
あなたからはなれて暮らす晩春の机に置かれている裁ち鋏
蒸し焼きの豆腐を「おにく」と頰張れる吾児よ気づくな父の歌業に
夕暮れの書店に集ひ一冊の本選ることに安らぐ者ら
弁当の卵焼食ふ片方の端を今ごろ子も食ひをるか
一緒に来た瓦斯が別別の穴を出て湯をそそのかすやうに春の夜
幽霊でございます、と起きてくる祖母のジョークを諫めておりぬ
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