Archive for the '今日の一首鑑賞' category

to doを書き出すことを脳内のto doリストの筆頭に置く

やさしさはこころのはじめ水こえて来たる子の眼のなかの冬蝶

2月5日の夜のコンビニ 暴力を含めてバランスを取る世界

カナリヤの囀り高し鳥彼れも人わが如く晴を喜ぶ

靴下は穿くためにある――十二月二十四日の母の口癖

枝を過ぎ葉に触れはにふれそしてみなわが眼のなかへ雨おちてくる

春泥を踏みつつゆふべ帰り来て皮膚脱ぐやうに靴下を脱ぐ

みづからを家の深くに進めゆく音せりよるの老い母の杖

利己的な点すこしある友人の話題が靴下ストッキング のことに戻る

ペンギンに踏まれる感触の夢さめて満ちくるごとく身に力あり

つま先に灯を点すような恋だった 靴下を履くことを覚えた

鍋の火を消してふりむく裏口の暗さの向こう燃えている空

君の弱みのごとく見ている靴下の裏側すこし汚れいたれば

マンションより月夜に箱を運び出す男に淡き尻尾がありぬ

少しやさしくされると少し気になってしまう単純 靴下を脱ぐ

淡雪にいたくしづもるわが家近く御所といふふかきふかき闇あり

なんでなんで君を見てると靴下を脱ぎたくなって困る 脱ぐね

等伯の松林図けふ観にゆかむ朝のとこにきたる雨音

第三次世界大戦終戦後懇親会に出席します 御欠席

動かねばおのづからなる濃き影の落ちてをるなり池の鮒の影

赤紙をもらった人だけが見れるめちゃくちゃおもしろい踊りだよ

独楽は今軸かたむけてまはりをり逆らひてこそ父であること

おそらくは電子メールで来るだろう二〇一〇年春の赤紙

地の上は暮れゆくばかり振りむけば出で来し穴に光の増しぬ

春の夜の夢ばかりなる枕頭にあっあかねさす召集令狀

ひなたより入り来し赤いセーターの少女つかのま陽のにおいせり

注文をするとき笑みているわれを肉屋の鏡のなかに見出でつ

いや赤き火鉢の火かもふつふつにもゆる怒りを抑へつつ見る

指さしてケーキ買ひゐる夫を見つ通り雨降る駅のおもてに

初詣帰りの道に野の草のハーブ引き抜き妻は手に持つ      

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