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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
途切れがちな会話を続けるために飲む真冬の銀河高原ビール
われをめがけ降る雪のあれ たれのたれの脚注でもなき道をゆくとき
春までは送るものがもうないと言ふ父の大根やはらかく煮る
一段目に春が蔵われ五段目はふかぶかと冬 祖母の箪笥は
雑文を三枚書いていつぽんのマイルドセブンを吸ふはうましも
肌合はぬ人のよこせし年賀状三等に当りしを手に握りしむ
水を飲むことが憩いになっていて仕事は旅のひとつと思う
「百歳」と内緒ばなしのやうに言ふ祖母は十本の指をひろげて
ひとの声よりもかそけき音のして給湯室に湯の沸くけはい
粉雪にまみれし毛皮を喜びて蛮族のごとく帰りきたれり
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