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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
父の顔の幅だけいつも開いているカーテンが言う「待ちょうちゃったで」
ふた瘤を揺りていとけなく立ち上る駱駝を午後のくもりに見をり
ここに居ることの薄さのガラス戸に秋の冷たい指紋をのこす
夜の道来つつし見れば凍りたる立方体の
烏賊
いか
をほどける
日本海の黒き水面をなめてゆく二十一海里の光達距離で
おおはるかなる沖には雪のふるものを胡椒こぼれしあかときの皿
足の裏なにかぬるつく雨上がりに素足で歩くカーリー寺院
はるかにて互みに
昨夜
よべ
の雪をいふ根雪にとほきわが海の雪
感謝され逆に元気をもらったと言われ西日が焦げ付いていく
秋かぜに靡く山路のすすきの穂みつつ来にけり君がいほりに
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