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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年4月
野生種の麦吹く風のつややかに男の腕に体毛そよぐ
いくつもの昭和が過ぎて夜ふかく東野英治郎の赫きくちびる
花水木いつまでも見上げる君の 君の向こうを一人見ており
草ボケの花は江戸期の飯盛(めしも)りの女の唇(くち)の紅色(べにいろ)に咲く
科学者純 焚けよと綴りし恋文が展示ケースに曝(さら)されてをり
湧きあがる清水匂えるわさび田のみどりを透きて一輪車のレイナ
ジュリアナ様と阿佐緒を称え綺の側に付きし石原純の不惑や
恋ふは乞ふましろの梨の花のもと雨乞ふ巫女か白く佇ちたる
重ねればやわらかい指ぼくたちは時代錯誤の愛を着ている
こりもせず光のほうへ手を伸ばす私のような蔓 クレマチス
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