コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年4月
パパイアの種子を刮(こそ)いでいた指を口中に入れ雨を感じる
基督とモーツァルトの対談にそなえるごとく椅子ならびいる
残酷な包みをあけた日があつた 花水木、風に白をかかげて
一分ときめてぬか俯す黙禱の「終り」といへばみな終るなり
にっぽんはうつくしい国あらかじめうしなわれたるうつくしい国
虹を消すやうなる右手 教科書にカタカナを振る生徒を見れば
「青ですね」「青ですね。でもわたしたち歩行者ではありま「赤ですね」
風花の散るとき気づくパン抱きて俯き歩みゐしみづからに
「一つづつ」と決められて書く志望書の長所と短所縦長の文字
白抜きの文字のごとあれしんしんと新緑をゆく我のこれから
投稿ナビゲーション
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ