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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年6月
寝そべりて恋の歌読む古き代(よ)のたはごとなれば美しき歌
らつきようの玉かがやけるよろこびのごときを水に打たせてやりつ
東洋人ひとりだけなる会議にてしやべらねば塑像とまちがはれさう
撃たれたる少女の口より漏れ続く異国の言葉の「母」といふ語彙
トンネルの奥処に次の駅見えてあるいは全(また)きひかりの発芽
人のかたち解かれるときにあおあおとわが魂は深呼吸せん
果樹園のなかに明日あり木柵に胸いたきまで押しつけて画く
野の上の風に吹かるる青菜あり青菜は常にあたらしく見ゆ
われよりもしずかに眠るその胸にテニスボールをころがしてみる
おだやかな眼差しかへすキリンたちいつも遠くが見えてゐるから
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