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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年1月
風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける
谷地に湧くみづが金だらひほどの光りそこに順序に鳥の来たるも
昨夜(きぞ)の雪消えぬ尾根より風来たり言葉いくたび人に滅びし
血は出口探して巡れるものならず夜の運河と遥か釣り合ふ
ちちははの生の緒しぼむ寒き昼うどん煮る湯が噴きこぼれたり
真夜中の鍋に林檎はほろほろと心細(うらぐは)しいのち煮詰められたる
「ぜんぶ好き」以外出口のない問いに「おっぱいです」で勝負して散れ
あはと消ゆる南のゆきのかろきをば降らせたやなうそなたがうへに
イヤフォンのコードに手繰るiPod nano わかさぎを釣る要領で
すこしわれ生き過ぎたのかとおもふとき森はしづかに大寒に入る
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