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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年4月
君思ひ窓によりつつ牛乳(ちゝ)を飲むうすあたたかき日光を吸ふ
敗け方の下手なわたしは点になるまでのひばりを又聞いている
母性とふ地下水脈のみつからぬ身体にまぼろしのリュート抱きしむ
籠に飼ふネズミは産みしばかりなるその仔を静かに食みをはりたり
門扉までのタイルに溜る雨みずにそそぎてゆるき春の雨脚
右脇よりドレインに抜ける濁り水わが胸に棲む夕やけの色
咲く花が群葉(むらは)の青を混へつつ濁りゆく日よ 父と呼ばれて
夜のプール塩素の臭いに囊(つつ)まれてまず魂が腐りはじめる
不実なる手紙いれてもわが街のポストは指を嚙んだりしない
コピー機の足りない色に紫陽花はかすんでここに海があったの?
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