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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年2月
梅咲いて梅散ってたちまち終わりにき風ひかる二月われのきさらぎ
ひそかなる盗みに似たりひとりなる姪を抱きて行く街のうら
行きずりにタアバン白き少女見て塑像かと思ふくれぐれの橋
熟柿(うれがき)はわれを抱きし伯母のやうぽたぽたとして皮破れさう
さしだせるひとさしゆびに蜻蛉はとまりぬ其れは飛ぶための重さ
高々と資材吊り上げ夕焼けの中にクレーンなほ動きゐる
消燈のころ世をしのぶごとく来て美しかりき汝がサングラス
遠い朝のように母来て縁側の夏のほとりに吸うている桃
『わが告白』なる自著の上に降りそそぐ批判の渦の中の春先
日常のわが段落に埋めおきし球根がけさ洎夫藍に咲く
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