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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年4月
白藤の花にむらがる蜂の音あゆみさかりてその音はなし
きららかについばむ鳥の去りしあと長くかかりて水はしづまる
濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ
歳月に意味を問うなら問うことの問いの形がとり残さるる
水に浮くこの全身がわたくしのすべてであれば重たし水は
雪をつむ喫泉の先へ伸びあがり口づくる子の足もとも雪
泣いた、右の乳首を噛みちぎったら――――――無限界乃至無意識界
今われは都市の貌(かほ)して足早に群れの流れの中に融け行く
三五夜の月、窓に来てひんやりと照らす天上寺仏足石文鎮
弟のかんばせ蔽ふ白布(しろぬの)を落葉の匂ふ風が通れり
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