2013年09月のアーカイブ

君の落としたハンカチを君に手渡してぼくはもとの背景にもどった

夜となる空気が甘し鉄塔をのぼりゆく人の足裏見えつつ

秋陽さす空の港に集ひゐるつばさ拡げしままの巨鳥(おほとり)

カカカカカ キキキキキキキ ククククク ケケケケケケケ コココココココ

紙ヒコーキが日に日に紙にもどりゆく乾ける落葉だまりの上に

道路脇の怒りの爆発、路上の会話の拒否、松林の無言、 

ユーラシアより来しもののしづけさに鯉はをりたり大砲(おほづつ)のごと

悪徳の壁塗り職人ヘンリー・ミラー氏あるあさ空をあおく蒼く塗る

でもなあ散るにも重たげなのがなあハナミヅキどうにかならないか

からつぽのからだいくつもころがりをり「本番」の声までのつかのま

初雪やてのひらに受け歩を止めてみんな近しき人となる街

自転車を盗みし父のあとを追ふ かのかなしみは我に帰り来ず

もくれんのわらわら白いゆふぐれは耳も目鼻も落としてしまふ

くす玉から平和のハトが弧をえがくドームの骨の上の青空

夫と子と季節のはざまに変態し擬態し女らやはらかくゐむ

わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち /わたし

あなたにはあなたの雲の数へ方ある 新しい眼鏡が似合ふ

ニュートリノ奔る気ままさもて晩夏全身を貫いて去れる喩

白昼に覚めたる眼(まなこ)ひらきつつ舟の骨格を見わたすごとし

長き竿を前籠と肩に押さへつつ自転車はまづ大通りを渡る

霧雨は世界にやさしい膜をはる 君のすがたは僕と似ている

動く歩道の端の端まで歩みきてひとつ飛びにつく龍馬空港

蕪よつつひだまりとなりかがやけばぼんぼんと鳴る柱時計が

ながき夜の ねむりの後も、 なほ夜なる 月おし照れり。 河原菅原

わたくしの名刺どこかでシュレッダーにかけられて居ん頭が痛い

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