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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年8月
秋を待たで枯れゆく島の青草は、皇国の春によみがへらなむ
窓ちかく朝顔の苗うゑてまつ病みてゆけざる海のいろの花
兵営に消燈喇叭の鳴るときし南十字はかたむきにけり
ゆつくりと朝の机を拭き終へて場所が居場所に変はれる不思議
離りゐて 思ふはすべなし。常世子は 雛祭に 仕へつらむか
ブルーシートの青は食欲失くす色 三年を褪せることのなき色
処女らに何護らすとわが教ふ手榴弾に火をつけ爆ぜしむる術
両の手を垂れて液体のごとき吾か夜半に明るき小園にをり
建つるなら不忠魂碑を百あまりくれなゐの朴ひらく峠に
子の夢に見られゐるわれ夕闇に螢ぶくろを提げてあゆめば
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