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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年7月
蝉時雨見えざる壁を作りてはその内側に鳴き注ぎたり
ローソンの袋の皺に眼はありてじいつと俺の方を見てゐる
ミスをして上司にひどく叱られた今夜男に会つたらだめだ
喉元に銃のはさまりし夢さめてかなかなは暁を鳴きそめにける
教科書は絶対と思つてゐた夏のしづかな教師の頸太かりき
常よりも敵のピッチののろしとぞ見るはすなはち進み抜きたる
いまだ掬はぬプリンのやうにやはらかくかたまりてゐるよ夏の休暇日
三河地震に宿舎はつぶれ二ヶ月余余震におびゆる日の続きたり
ふる雨にこころ打たるるよろこびを知らぬみずうみ皮膚をもたねば
青柿のをさなくひかる梅雨過ぎて「生活学校」廃刊となる
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