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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年2月
八階から見ゆる桜は小さかり今逝きましたと器械に告げて
少し長めに生きたることも葡萄パンにまじる葡萄のごとき確率
生きんため夫入院し残さるる時間のために父退院退す
皿汚しながらひとりの昼餉終へ誰にともなく手を合はせたり
どのひとも掌(て)のちさき板見つめをり板のむかうの海や砂漠を
につぽんの壺に嵌りし蛸といふ蛸はかなしゑモーリタニアの蛸
誤植あり。中野駅徒歩十二年。それでいいかもしれないけれど
いしひろうなんてひさかたぶりのこといしがこんなにつめたいなんて
わたしがいないあいだに落ちしはなびらを丸テーブルの上より拾う
そのかみの染野のあをき夕焼けがはるかに投げてよこす男の孫
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