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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年7月
客電が落ちれば良夜/河岸に劇場〈銀河〉現れて消ゆ
桜吹雪のなかにカメラを翳しいる娘のからだ少し傾ぎて
停電の夜に着せたる赤い服あらたな犬に着せて歩めり
くちばしの散らす花びらひよどりをひかりは誘ふ次なる枝へ
五年目の一斉捜索 私の時は五日経ったら忘れて欲しい
袖振りあふの多少の縁と五十年思ひ来たりて不便あらざりき
燃えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火
はる四月白くさびしき花水木もうすぐ夫のなずき削らる
見るかぎり赤信号となる道を渡りゆくなり影もたぬもの
棚の本を読みて箪笥の服を着て足るべし残生の心と体
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