2017年02月のアーカイブ

裾上げを待つ ストIIのデモ音がやけに響いているゲーセンで

葦の間に光る水見ゆをさなくてかなしきときも川へくだりき

ご先祖さま曰く「あ、WiiFit!……型の体重計て……ホンマに萎える」

アダムの肌白人はしき白といひエチオピアの子は褐色といふ

パソコンの〈ごみ箱〉に棲むテトリスをときをり呼びてまひるま遊ぶ

かなしみはひとふりのむちせかれつつ歩むわが背に響く風音

プレステが解禁となる受験後の一戦早くも()られておりぬ

たどりつく浜の薊に羽根ひらきあさぎまだらは全身さらす

たまごっち・オスっち・メスっち・てんしっち 育児・生死(しゃうじ)も手のひらに載る

セイロンの紅茶淹れつつ思ふかなこの葉を摘みし人の指先

ファミコンはいつ買つてくれるかと電話にておもひつめたる声で言ひけり

寒雀このあかつきのさへづりにおもてただしてわれはありたき

雨宿りせし駄菓子屋にインベーダーゲーム機ありき あの夏のこと

午後の陽は卓の向かうに移りきて人の不在をかがやかせたり

TODOのリストに子どもの一日の話を聞くことを追加する

発音で出自が知れるイギリスの階級社会を強く憎めり

to doを書き出すことを脳内のto doリストの筆頭に置く

やさしさはこころのはじめ水こえて来たる子の眼のなかの冬蝶

2月5日の夜のコンビニ 暴力を含めてバランスを取る世界

カナリヤの囀り高し鳥彼れも人わが如く晴を喜ぶ

靴下は穿くためにある――十二月二十四日の母の口癖

枝を過ぎ葉に触れはにふれそしてみなわが眼のなかへ雨おちてくる

春泥を踏みつつゆふべ帰り来て皮膚脱ぐやうに靴下を脱ぐ

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