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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
思うひとなければ雪はこんなにも空のとおくを見せて降るんだ
新品を入れても光らない玩具に光ってた頃の電池を戻す
噴水を見て立ちながら初恋の歯ならびもいまはまだおぼえてる
書きかけの作文消している顔をクシャと原稿用紙に撮られる
図書館はとてもしずかで子供なりの小声がおしっこと言っている
蒲公英
たんぽぽ
は茎ながくして
絮
わた
を立つ朝あめけぶるこの川べりに
押し入れの天袋に入り朝までを水から逃れしと人はまた笑む
みづ飲みに行きしひと待つと静かになり椿の蕾ちぎりたるかな
ねえちやんは帰れ分がンね奴は帰れとぞ言はれつつわが併走す
脚硬き椅子にしましの過ぎてゐぬ何も見ぬまま歩みたるごと
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