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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ナボコフの趣味をにほはせ桜木は夜ごと淫靡にふくらみゆきぬ
雨によごるる果実小鳥らのはらわたに累々として光りはじめん
パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である
とある日の夕まぐれどきとび交へるをさなき声の中を通りき
土くれがにおう廊下の暗闇にドアノブことごとくかたつむり
小さき鳥あかるく歌をうたふまに涙のごとき糞をして去る
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
つらいなら雪を炎と呼ぶ国へゆこうよ、もっとつらくなろうよ
目薬の成分表をよみあげる声ゆるやかに春の消灯
会いたい人が夕暮れに帰りくる奇跡のごとくドアを叩いて
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