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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
うすぐもる青葉の山の朝明にふるとしもなき雨そそぐなり
湖うみのほとり青の光につつまれて神はしだいに遠のきたまふ
海色のききょう咲きたりぽぽぽんと夫の告別より戻り来たれば
かたはらにおく幻の椅子一つあくがれて待つ夜もなし今は
蝶なりしころの記憶が湧き出でてスティック糊がころんとうごく
幻燈に青く雪ふる山見えてわれに言こと問うかえらざる声
つたかづら生き生き家を巻き締めて閉ぢこめられし仏壇ひとつ
死後の世界はないと唱えしホーキング博士は死にて車椅子残る
いかにせん雲の行くかた風のおと待ちなれし夜に似たる夕べを
あなただけ方舟に乗せられたなら何度も何度も手を振るからね
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