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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
高架下の長めに生きる猫たちに睨まれつつもかずを数える
人も馬も道ゆきつかれ死ににけり。旅寝かさなるほどのかそけさ
絵本には死の苦しみが描かれぬと言ふ子の不満さいごまで聴く
夕顔乾酪チーズ色にくさりて惨劇のわが家明くるなり*おはやう刑事!
はじめてのように見る虹 消えてゆく記憶のほうがいつでも多い
かけがへなき変身して森に樹をみがけ 風よりも風のやうに否定の像あり
ふる花をひろいながらに来るこども遠く見ゆ遠けれどよく見ゆ
陸奥みちのくのなほ奥ありて雪氷鎖とざせるなかに火立ほだついのちは
ひとり子の先立ちしマリアの老後など思つてをれば飯いひたきあがる
松影を浴みつゝゆくは哀しかり跳びかがよへる斑猫みちをしへかも
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