コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
星が行く道のながてを何となく夫の名前を呼びたくて呼ぶ
水漬ける柱朽ちたる桟橋にいのちいとほし月の漣波
麵麭を買ひ「ma mère est morteママが死んだ」と言ふ我に野の風のごとうなづくダミアン
さらば夏アトランティスを見て来たと誰か電話をかけてこないか
ついさっき裸の馬が駆け抜けたそんな二月の午前五時半
かわやつめ脛はぎにとりつき血を吸うと夢みしゆうべ熱すこしあり
椽臺に帽子を脱ぎて仰ぎ見るその紅葉もみぢの木このもみぢの木
深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり
おとなしく人の流れにはこばれて道具屋筋で脇にそれたり
むきだしのそんざいならぬもののなき炎昼をつりがねの撞かるる
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
128
固定ページ
129
固定ページ
130
…
固定ページ
470
次のページ