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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
村上一郎/わかくさの妻らを送り家を出て冬浅(あさ)き日に死にゆきにけり
森尻理恵/廃屋のめぐりに赤きサルビアが手入れされいるように咲きおり
青柳守音/降りたった蟹よりあかいヨコハマはかすかに焚火のけむりが匂う
加賀要子/スクリーンを外し観客席を運び去りし劇場空間を人らと清む
穂積昇/岡持につきては消ゆる雪を見て春の気配の近づくを知る
すみません。
吉田優子/カラメルをとろり煮る午後猫が鳴く昨日はどこにもありませんよう
山川藍/履歴書の写真がどう見ても菩薩いちど手を合わせて封筒へ
大島史洋/あろうことかもやしが風に舞うようとわが大車輪を妻は評しぬ
齋藤史/携帯電話持たず終らむ死んでからまで便利に呼び出されてたまるか
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