コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
わたしたち夏から冬がすぐ来ても曇天を今日の服で飾って
むらさきしきぶ紫の実の濃く熟れて老いゆくは修羅をこえてしづけし
人類を森口博子を知る者と知らない者に分けて秋雨
木の家に石の男と棲みつきて秋冷の夜の豆を煮てゐる
一年に十分の時を先に行く居間の時計にわれの従ふ
休日のわたしがガラス戸に映りふつうの女の人のようなり
咳こみて口にあてたる掌が不意に他人の匂いを放つ
魚に鱗、樹木に年輪あることのさびしき
朝
あした
ぐんと老いにき
コンビニの麵麭と水だけ口にしてとがらせてゆく秋の結末
一年に一度の排水管掃除の日 やはりあの無愛想なサルトルがきた
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
14
固定ページ
15
固定ページ
16
…
固定ページ
473
次のページ