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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
寺尾登志子/わたくしといふ現象を突き抜けて見えたつもりのあなたが見えぬ
前川佐重郎/夏草をちぎりて撒(ま)けば空くらし静脈のごとき茎そそりたつ
萩原慎一郎/ひるやすみカレーうどんを食べながら愛のない暮らしなどはうんざり
前川佐重郎/鉛筆の描ける空の鋭きに一羽の鵙(もず)の研ぎて降下す
大滝貞一/つゆぞらに首掲げ咲く桔梗(きちかう)の藍(あゐ)は天安門の喪の花として
吉川宏志/琉球の玉虫ならむ掌(て)に置けり斜めに見ると浮き上がる赤
中川佐和子/故もなく撃たれしひとりを支えつつ撮れと言いたる声が伝わる
吉川宏志/旅なんて死んでからでも行けるなり鯖街道に赤い月出る
外塚喬/生(なま)蒸気がパイプを戻りくる音をとらへて午後のわが耳は鳴る
横山未来子/ふつつりと置き去りにされ乱れたる飛行機雲を風のきよめぬ
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