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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
人事などもわもわとして春の夜のサッポロ一番やはり塩あぢ
さびしいを知らない人よ「さむいの」と膝をのぼってきてしがみつく
山頭火で三一〇円のラーメンを食べていたのが三月十日
ああ、娘は見なくてよかつたずんずんと迫りきたあの津波の黒を
カーナビは瞬時にわが位置示すゆえ狙撃兵の眼天より感ず
震災を知らないということだけは知っているただ、知っているだけ
口中に舌一枚の重さありて四温ののちを降る雪仰ぐ
百年後も決して終はらぬ三月がまた来る冬のコート着たまま
春浅き付箋だらけの子の辞書がことばこぼさぬように立ちおり
天冠のとれし女雛のまぬけ顔したしみありてわれは寄りゆく
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