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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
「ロバの耳」がたくさん落ちている穴へ私も落とす夕べの耳を
君の髪に十指差しこみひきよせる時雨(しぐれ)の音の束の如きを
同年代そは幻よ春陽射すひと日を隔てたるゆゑひとり
アスファルトから靴を引き抜くゆらゆらと炎天の首都ただひとり行く
わが乗れる山手線がうつりをり切手博物館の窓それぞれに
ひばりありがとうほととぎすありがとう手をふりながら年老いてゆく
鳩時計鳴くを止(と)めしが鳩を闇に押しこめし如きこだはり残る
瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり
抑え難く感情の動く二日三日椅子に突き当り階に躓く
わら灰をつくりて心しづまるを帰りし家に感じつつ居る
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