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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
円周に(指は潰れてしまったが)穴あけ回転木馬を降りる
樹(き)によりて物を思ひぬ、君去りて朽葉しづかに匂ふ秋の日。
シャボン玉まだ喜べる子がふたり 光の中に光が増える
水槽の魚運ばるるしづけさを車中におもへばたれも裸体なり
父われを見むと来たれる東京の子もうれしみて席に加はる
校庭に水木見上げて立ちおれば事務長が来て水木見ずゆく
電車でも眠ってともだちの部屋でも眠ってなんのために行ったのか
人間を休みてこもりゐる一日見て見ぬふりの庭の山茶花
駆けつこの迅きは英雄となりて墜ち鈍足の群れに射せる黄昏
鳩の咽喉腫れしゆうべは西空の奥ふかくあかあかとにじむ夕映え
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