コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
背中だけ見せて寝ている村の井戸を汚したせいで帰れぬ人が
区役所の窓口に立ちなんとなくたみくさの感じにぎこちなくをり
自転車の銀の車体にこびりつく昼のひかりは泡のごとしも
かのときの二月岬の潮風になびきてありしえり巻きのQ
こよひはたれが逝く斑鳩の参道をまっすぐに来る無人の自転車
冬越えむとして厚き葉がかたはらの祈りのごとき幹に触れをり
ひつそりと濡れしガーゼが垂れてをり百葉箱の闇を開けば
ダイヤモンドゲームの駒を青と決めいちばん遠い場所にゆく旅
とよめきて悶すぎたる胸の野やたのしき鳥と眠は来ぬる
降る雪も過ぐる時雨も沁まざれば我が深淵のかたち崩れず
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
374
固定ページ
375
固定ページ
376
…
固定ページ
470
次のページ