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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
自転車を駆(か)るゆふぐれに天空にふたこぶ駱駝うまれては消ゆ
肛門が/一つしかない人間に/もう用はない/出ていきたまえ
まがね鎔け炎の滝のなだれ落つる鎔炉のもとにうたふ恋唄
人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天
ベランダの縁(へり)に器具もてしっかりと鋏みし布団ながなが垂らす
この沼に来し日は知らず発つ時を見ず幾たびか水禽に会ふ
うらぶれた汚れた孔雀冬ざれの日本にゐて日本に似る
雑然たる日々のすきまに見えきたる光の如く年を迎うる
田に降りてまだ静まらぬ鶴(たづ)むらの白きゆらぎの中に踏み入る
人恋ふにあらねきさらぎ雪積めばさ夜更けてひかりいづるわが髪
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