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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
山に来て二十日経ぬれどあたたかく我をば抱く一樹だになし
今日は寒かったまったく秋でした メールしようとおもってやめる する
手套にさしいれてをりDebussyの半音に触れて生のままのゆび
寝室に行けばわれよりも早く来てベッドに待てる月光に触る
啄木の日記の上に目覚むれば干し草ほどに乾ける活字
杉爺(すぎじい)の中のこだまを呼びにきて若きあかげら若き首をふる
切株の裂け目に蟻の入りゆきて言葉以前の闇ふかきかな
花火咲き散りにしのちに隕ちてくる闇の重さに母と寄りそふ
きつとある後半生のいつの日かサヨナラゲームのやうなひと日が
しよんぼりと霧に飢ゑをるえんとつのまるみなり日暮れはこころも猫なり
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