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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
俺という一人称を持たざれば伝えきれない奔流のある
王冠のかたちに透けるガスの火に獣乳ささぐ秋のおわりは
酔ひにたりわれゑひにたり真心もこもれる酒にわれ酔ひにたり
わがうちに井戸ありいまだわが汲まぬ井戸にもたれて影ひとつあり
白昼に覚めたる眼(まなこ)ひらきつつ舟の骨格を見わたすごとし
ムンクの絵〈叫び〉を〈あくび〉と改名す女子高生はただものでない
からだのないわたしはだれに見えるのか酢のような匂いをひとはうたがう
ひとひらの置手紙ある朝なり皿白く輝(て)り誰もをらざり
連れられてシベリア出兵を駅に送る兵と馬とのただ長き貨車
竹竿(たけさを)の朽ちて割れ目に入りし雨打ちおとしつつもの干す今朝は
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