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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
微生物ひきつれ弥陀はたたなづく青垣を越ゆしたしたと越ゆ
死者の魂(こん)翼に乗ると空みつつまなこ澄みけむ古へびとら
夜の更くるお茶の水橋の下びには人面(じんめん)なして葛の葉が吹く
薄氷(うすらひ)の上を生きつつみひらけばきみ立ちて舞ふ月のおもてに
ひるがほのかなたから来る風鳴りが銀の車輛となる夏の駅
海嘯ののちのみぎはは海の香のあたらしくして人のなきがら
底ごもる地下鉄の音過ぎゆくを跨ぎて暗しわれの家路は
ハロー 夜。 ハロー 静かな霜柱。 ハロー カップヌードルの海老たち。
横にいてこうして座っているだけで輪唱をするあまた素粒子
死者に逢ふ、ことだつてある……… 写真帖(アルバム)を繰るやうに街角を曲れば
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