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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
いつも君は犬に好かれき見知らざる犬さへ千切れんばかり尾振りき
「この国」と言ふときふつとさみしくて何かまとまらず春の宵
なまなかな情けかけられ情けなくなりたる身体(からだ)湯に沈めゐつ
祈りとうことを久しくせざるかなせめて机上の土鈴を振らむ
木のこゑと風のこゑとがまじりあふ秋の硝子を磨きてをれば
停車場(ていしゃば)に札(ふだ)を買ふとき白銀(しろがね)の貨(かね)のひゞきの涼しき夜なり
さかんなる火事に見ほるるわが顔を夢にみてをり何燃えてゐむ
リモコンが見当たらなくて本体のボタンを押しに寝返りを打つ
「どこにゆくのだどこにゆくのだ」走ろうとしても砂漠は許してくれぬ
発言は波立つような反感をみちびきたれど反論はなし
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