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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
今日こそは言わねばならぬ一行のような電車が駅を出てゆく
七回忌の姑(はは)夢に来て機嫌よしなぜか私も死にたくなりぬ
蟬たちの呻吟にけふの陽(ひ)は揺れて千年前のたそがれに逢ふ
睡りゐる麒麟の夢はその首の高みにあらむあけぼのの月
学生帽目深くつけて歩(あり)くとき樹木のごとき思ひぞ我ら
空間に半開きの扉(と)のある夢を怖れて時に現実(うつつ)に見たり
人の声渦巻く中に眼つぶれば笑うというより咲いている君
日昏れ来る 黒き帽子をかむりたる紳士の群れの降り立つやうに
日常という重圧につぶされてもう開かざる勝鬨橋(かちどきばし)も
子らははや遊びを止めて色赤きビニールプール西日に乾く
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