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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ああ、博士 まるでひとりの島みたいどこまでも心が浜になる
紅葉葉の過ぎにし友よ 酒飲んで君の時間を仲間となぞる
束ねればきれいに見える花が好き 木枯らし一号吹く街をゆく
冷蔵庫の麦茶を出してからからと砂糖溶かしていた夏の朝
ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である
本当は声に言葉にしたかつた空を歌つてにごしたあの日
還らないひとを探してひまわり畑を歩いた。何日も何日も
スーパーの半額刺身を楽しみに時計を見つつ仕事終へたり
酒粕に鰆ふた切れ漬け込みたりうふふに過ぎる〈待つ〉とふ時間
ゆふぐれの薄墨色から足首を引き抜きながら舗装路を行く
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