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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
春がすみいよよ濃くなるまひるまのなにも見えねば大和とおもへ
友人と撃ち合うようにお互いの写真を撮りて旅を終えたり
言わないで火を点けないでまなうらに金平糖のなだらかな棘
はるのゆふぐれにしろじろ揺れながらさくらは白い肢体をひらく
緑道の暗渠に流れゆく水に息をあわせて あわせて ねむる
向こうへと傾くきみの歯ブラシをこちらへ向けてみたりする朝
風鈴がふるえる九月生きてゆくための思想に上書きはなく
生きるのが大変だった アルバムはひらけどひらけど大運動会
わが生にかかる耀きのなかりしを思ひつつ見る今年のもみぢ
福島から来ましたと新しい街で言ふだらうまだ寒い春の日に
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