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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
カウンターに呑みつつ並びゐし人ら ゆふぐれはみな話があつて
転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー
朝方はまだ飛び方が変という程度だったが昼には逝った
五年後はプラスチックを使はないハッピーセット寂しくないよ
シガー・バーに湧きいづるときいまさらに一青窈『喝采』はわれを酔はしむ
肺という三角州ありただいま、と言うときひどく海が泡立つ
黒き蝶ふと入りきてひらひらとひとの間を縫ひて去りたり
裂けて地にある花びらに人間の童話を聞かす。五月某日
昨日の雪わが家裏に吹きだまりあはれゆふべは薄明りせる
このくにの空を飛ぶとき悲しめよ南へ向かふ雨夜かりがね
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