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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
春の夢たくさん詰めたふかふかの枕だったがかなりへこんだ
石仏にされたる貌の欠けてきてまた野の石に還りゆきたり
遠目には宇宙のようで紫陽花は死後の僕たちにもわかる花
死んだ白い兎の毛ゆびにつまみとる私の部屋着のカーディガンから
水の夢イチローの夢ひとしきか老いを知らねば夜半の虹たつ
濃密な花のにほひを肉感にたぐへることはレシピにも似る
さみしいは何とかなるがむなしいは 躑躅の低いひくい木漏れ日
パブロンでなんとかなると信じたい 春なのにダウン着てねむります
知らぬ間に握つてゐたるレシートを伸ばせば三日前の、切手の
足裏をくすぐるやうに沸きはじめ薪の匂ひが湯殿にこもる
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