コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
春となる光に空は明るめりいづこより来るこのかなしみは
おとうとが春服をドラムバッグから出して夏服詰め込んでゆく
夢のなかで誰とはぐれしわれならむはぐれたること少しうれしく
うどん屋の面接受けに行きし友そのうどん屋に顔見あたらず
激情の匂いするみず掌にためてわたしはすこし海にちかづく
白い根の水にからまる深夜にはひんやりとしてすてきなまぶた
胴吹きの花のあとから枝のびて難しいのは終わり方だな
「めし」とのみ書かれた店に入りゆく石仏めぐりの旅の終わりに
桜には横顔がないからこわい春から春へ枝をのばして
ひとねむりしたればおおかた人降りて旅上のひとりがふいに身に沁む
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
64
固定ページ
65
固定ページ
66
…
固定ページ
472
次のページ