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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
湯に浸かるように地面に胴体をあずけて留まる鳩 早朝
口の端の薄きしょっぱさ朝焼けよこりゃあなんだよ誰が泣いてる
秋日さすまばら小松の丘越しに磯あらふ浪のひねもす聞ゆ
能登に来て海の不思議を語りだす来春はわが妻になる君
山鳥の
渡
わたし
を鹿のわたる話正確に詳細に知りたく思ふ
茉莉花の香にひたさるる宵なりき卓に白磁の碗ふたつ置き
なごみたる夜ふけ鳴く
蛙
かはづ
二種類にて澄みやさしき声は近しも
雪に傘ひらけばすなはち壊れたり風のつよさはそのあとに知る
集りて立つ人間等生きて居り足々みだれ狸横はる
生活のとある日の暮れハクモクレンのをはりの花がことりと散りぬ
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